人を成長させる上司、成長を止める上司

先日、大手通信系会社の社員向けにビジネススキル研修を行いました。
全部で5日間の研修でしたが、研修の一番最後に受講生の方が講師である私のところに来て、

「とても良い研修ありがとうございました。私、細木先生の人柄が個人的に好きです。」

と言ってくださったのです。受講者の方に成果を出してもらえることを一番に考えながら取り組んできたのもあって“頑張って良かったな”と思わず目頭が熱くなりました。こういう瞬間は、本当に嬉しいものですね^^

管理職こそ大切にしたい「あり方」

受講者の方からフィードバックで気づいたのですが、人柄や人間性といったものは、講師も管理職同じように求められているものだと思いました。人は仕事そのものにだけではなく、その仕事を引っ張っているリーダー的な立場の人の人間性に惹かれて、共感し、リーダーと共に自らの力を最大化するのではないかと考えます。よって、管理職や人事担当など、人の育成に関わる人は、自身の思いやあり方が、チームや会社の成果を左右するのだ、という認識がとても重要になってくるのです。

無限の可能性を信じるとは

私が考える、管理職としてのあり方は、

人の無限の可能性を信じる

ということだと考えています。

例えば、部下がミスをしたり、失敗をしたり、トラブルを起こしてしまったりした時に、どう考え、どう行動するか?
こういうときに自分のあり方が如実に現れるものです。

●何度も同じミスや失敗をするので、ついつい感情的に怒ってしまった
●褒めるだけでは人は育たないから、叱らないと分からない

こう思われている管理職の方も多いのではないでしょうか?

しかし、私の経験からすると、短期的には効果的ですが、長期的にはむしろ逆効果だと思っています。
威圧的なマネジメントは、相手に恐怖を与え、萎縮させてしまうことにより、相手の成長を結果的にストップさせてしまうからです。

部下を信じきれなかった過去の私の失敗

これは私の体験談なのですが、仕事でミスをした部下に対して、感情に任せて叱って指導していた時期がありました。そんなある日、他のチームを率いている、同列の役職の同僚からこんなことを言われたのです。

「細木さんの部下のAさん、細木さんの意見に対して絶対拒否しないで『はい、分かりました!』って丸呑みするよね」

同僚は「そんな風に従順な部下を育てたい」という思いを込めて話をしてくれた風だったのですが、当時の私は同僚の言葉を受けて「このままでは、部下が育たないばかりか、チームの成長も望めない!」と、頭をガツンと殴られたような、目が覚める思いだったのを覚えています。

人を信じるということ

では、その後の私はどうなったか?

もし、人には無限の可能性があると信じるスタンスを貫いているのであれば、たとえ部下がミスや失敗をしたとしても、まずこんな風に考えるのではないでしょうか。

「Aさんがそんなミスをするとは考えられない。もし本当にミスをしたとしたら、何か特別な事情があったはずだ」
「自分の指示の仕方や関わりが間違っていたかもしれない」

現在の私も、部下がミスをした時はこのスタンスを自然に通しています。実際、どうしてミスや失敗が起こってしまったのか、事情や状況をとことん聞いて、さらに自分の伝え方を振り返り、改善できる部分はないか部下と確認しあい、今後同じことが起こらないような対策を一緒に考えるようにしています。

 

管理職のあり方を醸成する

管理職としてのあり方や思いは、必ず相手に伝わります。口先だけで、原因追求や対策案を伝えたとしても、部下は本音や真実を語ってくれません。部下に限ったことではないかもしれませんが、いずれにせよ、管理職のあり方は、相手に必ず伝わり、それ次第で、部下が大きな成長を遂げ、結果として大きなチーム成果をもたらすのです。

しなやかマネジメント法の基本的な土台は、管理職のあり方を醸成すること。多くの特にリーダー的立場の人が各々のあり方を確立することが、働く全ての人が安心して成長出来る未来の礎になると考えています。あり方を醸成するメカニズムについては、「女性管理職の育て方セミナー」にてご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご参加いただければと思います。