女性活躍推進は女性だけが取り組むべき?

企業研修およびセミナー主催を通して出会った各企業様の女性活躍推進の状況を拝見し、気づいたことがあります。

それは、ハード面(ダイバーシティ推進室などの設置や人事制度の整備)が先行して、ソフト面(社員の意識改革、組織風土づくり)が追いついていないことが多い、ということです。

特に気になることが、ダイバーシティ推進室などの女性活躍推進を進める組織は、「女性のみが取り組みを行っている」ということ。決して女性だけに特化された話でもないのですが、女性に任せれば、あとはご自由にどうぞ、という企業スタンスが見え隠れしているように思えてなりません。

男性社会のなかの女性たち

ご存知の通り、会社は男性社会で運用されています。階層構造(ヒエラルキー)をとって情報の共有を効率的に行うことによって、その階層での判断が的確に行えるようになっています。

この縦の構造化と仕組みが、男性目線での発想そのものになります。これ自体が、ビジネスを効率的かつ効果的に行うために重要なことだと考えます。

ただし、この男性目線の発想で作られた会社組織での仕事の進め方が、女性にはなかなか理解しづらい、しっくりと来ないからモヤモヤする、ということが良くあるのです。それは、男女の生物学的な脳の構造から、男性と女性とでは、物の捉え方が違うと言われているからです。

女性たちに任せっぱなしにしていないか

女性活躍推進のため、ダイバーシティ推進室に女性社員を配置し、その女性社員のみで取り組みを行なったとしても、会社全体が男性目線での考え方で動いている中では、女性社員は身動きが取れないも同然の状態に陥りがちです。

もちろん、問題意識はあるものの、

「私は会社組織の中では正しい発言をしているのか心配」
「自分1人の意見で、これまでの仕事のやり方を変えていいの?」
「・・何をどう進めればいいのか分からない!」

というのが女性社員たちの本音ではないでしょうか。

さらに彼女たちに追い討ちをかけるのが、意思決定者である男性上司の意見です。ひとり悩み抜いて出した施策やアイディアを、意思決定者である男性上司に伝えたところで

「それは違うと思う」

と否定されてしまうと、女性社員は途端に自信がなくなり、あっさりと男性上司の意見に従う、ということになってしまうのです。

男女の視点を融合したいのに・・

女性視点を取り入れようと、女性社員に仕事を任せたと見せかけて、最終的に女性の意見が組織へ浸透しなければ、組織や制度を整備しただけの、形骸化された女性活躍・ダイバーシティ推進になりかねません。

よって、真の女性活躍推進の目的である、

“男性視点のよいところと女性視点の良いところを融合してこれまで以上の成果を出す”

ということは、まだまだ達成されていない状況となってしまっていると考えます。記事の冒頭でも触れましたが、

「女性活躍推進なんて良く分からないから、女性が好きなようにやってくれれば・・」

このような男性経営層や人事部長の本音も私の元に届いていますが、それこそ、女性活躍推進が思うように進まない原因ではないかと思います。

女性活躍推進は、女性だけのものではない

女性活躍推進は、女性だけが中心となって行うものではありません。
男性も女性も自分事として、互いの強みを発揮して相乗効果を生むためにはどうしたらいいか建設的に話し合い、共に進めて行くことが重要です。そうでなければ、いつまでたっても、真の女性活躍推進は達成せず、形骸化した取り組みのまま、場合によっては、逆効果となって問題が大きくなってしまいかねないと懸念しています。