女性活躍推進、圧倒的な成果を出すためには(1)

女性活躍推進の事業を進める中で、企業の経営幹部クラスの方とお話する機会が多くあります。実際にお話をして、2タイプに分かれるなという印象を持っています。

まず1つは、現場の本音を上手く把握して、危機感を持って自ら行動している方。もう一方が、現場の本音に気づきつつ表面的な把握に留まり、施策が形骸化しているような消極的な状況の方。

後者の経営幹部の方にお会いすると、非常に残念であるとともに、現場の女性社員の声なき声が聞こえてくるような気持ちになることもあります。

危機感を持っている役員・幹部社員の取り組み

女性活躍推進に対して危機感を持っている企業の幹部社員の方が、具体的にどんな取り組みをしているかというと、

・優秀な女性社員の離職に歯止めをかけるため制度改善案提出に向けた現場ヒアリング
・利益重視のトップが納得する数字をあげつつ、水面下で女性社員育成の取り組みを推進
・悩んでいる女性社員をサポートするため定期的な自主ランチ会を開催
・組織風土改革を進めようと上層部へ自ら現状分析し提言

このような活動を、会社側から求められて行動しているのではなく、自ら課題感を抱き、自分の立場であるからできることを見出し、積極的に活動をしているのです。

危機感ゼロの役員・幹部社員の場合

危機感ゼロとまでは言わずとも、そう思わざるを得ない役員・幹部社員の場合の多くは、現場の女性社員の悩みや課題を含めた本音に気づきつつも、自分の立場だと直接影響がないという環境下もあって、表面的な対応や、形骸化した取り組み支援等に留まっているのが現状です。

そんな危機感の薄い状態が続くと、

・女性活躍推進はもう終わった
・制度整備も終わって、女性社員からの意見も特にないから大丈夫
・これからはダイバーシティ、働き方改革、SDGsだ
・今は利益も十分出ているから困っていない・・

という意識が垣間見えたり、実際の発言として耳にすることが多いように感じています。

現場の女性たちの声

現場の本音の意見はどのようなものがあるかご存知でしょうか?

女性活躍推進の中身を見れば一目瞭然、制度整備や女性管理職数の目標値達成といった、ハード面のみが進んでいて、女性の意識向上やビジネススキル向上、職場風土醸成といったソフト面ではまだまた多くの課題があるのが現状です。

以下は、私がコンサルティングやしなやかリーダー塾の塾生から直接ヒアリングした女性社員・女性管理職のみなさんの生の声です。

制度面に向けた女性社員の本音

「時間短縮勤務を申請したら最後、第一線の仕事から外されてやりがいがなくなる」
「在宅勤務の申請をすると、上司が面倒だと言わんばかりの表情を向けてくる」
「育児休職から復帰する社員がほとんどおらず、最終的には全員退職しているのはどうかと思う」

女性管理職の本音

「女性活躍推進という名目で昇格させられた代償が、同期の男性同僚の嫉妬と陰口」
「下駄を履かされて課長になって、使えないと思われているのが部下を見れば分かって辛い」
「自由にやってと言われても困る」
「ダイバーシティ推進室長は女性社員って決めつけているのがおかしい」
「結局上司のいう通りにしないと仕事が進まないから完全にお飾りの管理職になっている」
「部下が私を飛び越えてさらに上の上司と仕事を進めている・・私が全部悪いの?」
「正論で正面からぶつかってくるな、管理職ならもっとうまくやれって言われても、具体的にどうすればいいの?」

女性管理職の8割は「辞めたい」

このように、女性活躍推進法の目標値を達成するため下駄をはかされて昇格した女性たちは、自分が女性だから管理職になったのだと理解しています。

思うように進まない仕事を抱えながら自信をなくし、不甲斐ない自分にショックを受け、それでも何とか現状を打破したいと思いながらも、具体的に何をどのように対応すればわからない、モヤモヤとした気持ちを抱え悩みながら女性管理職という立場に苦しんでいるのです。

実に、女性管理職の8割の方は辞めたいと思っている状態であることを、どのくらいの企業の経営幹部が知っているのでしょうか?

経営幹部も女性管理職に対して諦め感を持っていないか

チームや部下を持つ女性管理職の多くが自信喪失の中で仕事をしていたままでは、会社の成長につながるはずもありません。

この現状に経営幹部の方は薄々気づきながらも、

「女性の能力不足だ」
「女性は甘えているんだ」
「だから女性はダメなんだ」

と考え、女性活躍推進をあきらめてしまっている人も実在します。

しかしながら、意識の低い管理職が会社の中にいることは、むしろ会社の事業を推進するにあたっては、大きなマイナスとなってしまうのです。だからこそ、私は女性活躍推進の真意を伝え、諦めずに取り組むべき課題であると提言し続けているのです。ー次回へ続くー