制度を正しく運用する

在宅勤務や時間短縮勤務などの制度を導入している企業は多いと思います。
しかしながら、いろいろな会社の男性管理職や女性社員から話を聴くと、うまくこれらの制度を運用するのに悩みを抱えているようです。

マネジメント層、現場の女性、それぞれの主張

男性管理職の方からはこんな声が。

「在宅勤務を許可したものの、家で何をやっているか分からない。サボっていないかと疑心暗鬼になって、管理が難しい!」

「時間短縮勤務をしている女性社員は、不測の事態が起こり得るような仕事がなかなか頼みづらくて。そうなると、自分でコントロール可能な定型業務を頼むのはもう仕方ない」

一方、女性社員からはこんな悩みが。
「在宅勤務をしていると、周りが休みのように扱い、疎外感が半端ない」
「上司に在宅勤務を、申請しづらい雰囲気がある」
「時間短縮勤務をすると、第一線から外されるから辛い」

さらに、女性社員のごく一部の方は、
「そんなに信じられないなら、もう結構。在宅勤務や時間短縮勤務をとことん利用して、楽して給料もらいます!」

と割り切ってしまう人も実際に存在します。

双方の悩みが悪いスパイラルへ

こうなると、更に男性管理職は在宅勤務や時間短縮勤務を申請する女性社員に不信感を持ち、厳しく管理しようとすることは仕方ないかもしれません。女性社員は更に不満がたまってモチベーションが下がる一方・・。この悪いスパイラルを断ち切らないことには、せっかく導入した制度も形骸化して使われなくなってしまい、最悪の場合、「制度のせいで仕事が進まない!」といった逆効果を生み出しかねないでしょう。

悪いスパイラルを断ち切る方法

これを断ち切る方法として私が提案したいことは、男性管理職と女性社員の双方が、どうしたら時間の制約がある社員のパフォーマンスを最大化して相乗効果を生み出して成果をあげることができるか、ということを、相互理解しながら一緒に検討し進める、といった取り組みが一番効果的だと考えています。

よくある落とし穴〜絶対やってはいけない「後は任せた!」

女性社員のみで構成されるプロジェクトで、女性活躍推進を進めて行くといったことを実施されているところも良く見受けられますが、そのプロジェクトを作ったからあとは任せておけばいい、といった形でほったらかしにしているケースもあるように思います。

そもそも女性社員比率が少ない企業においては、女性のみで検討するプロジェクトも重要ですが、検討にあたっては男性側の視点も入れバランスよく進めていかないことには、施策を行ったとしても使われない、実行されないものになってしまうこともあります。男女双方の視点がうまく混ざりあい、性別に限らず会社の誰もが活用できる可能性について話し合いを進めるのが、結果として本来の目的達成の近道ではないかと私は考えます。

しなやか女性リーダー養成講座へ参加する方は、企業規模に関わらず、経営層、ダイバーシティ推進室長、部長〜課長クラス、人事担当者、次世代リーダー層という方が、男女問わず参加しています。これまで0期、1期と開催し、いずれも参加した男女比は半々でした。女性の特性にチューニングさせた講座ではあるものの、男女それぞれが参加する理由があります。

男性受講者は「女性が何をどう受け止めているのか知りたい」、女性受講者は「なぜ私の話が周囲に受け止めてもらえないのか分からない」という理由が大半です。講座の中で女性の特徴が仕事上でどのような印象を周囲に与えているのかをその理由と考えのプロセスを丁寧に説明すると、男性受講者は「なるほど女性はそう考えるのか」と納得し、女性受講者は「いまだに理解できないけど、男性にはキーワードで伝えれば納得される」と実体験を踏まえて腑に落ちるのです。

このきっかけが生まれれば、あとは互いの認識の差があることを理解し、自然と互いに分かり合おうという行動が生まれます。

この域に達すれば、これまでの悪いスパイラルは嘘のように消え、社員一人ひとりがその特性を活かし、互いの相乗効果を得て会社成長を遂げていくと私は考えていますし、講座の卒業生のみなさんや、コンサルティングで関わらせていただいた企業様を通して手応えを感じているところです。

具体的な取り組みや成果については、ぜひ「女性管理職の育成セミナー」にてご紹介していますので、ご参加いただければと思います。