会社のビジョンや目標が社員に浸透しない理由

中小企業で実施させていただいた研修を通して、会社のビジョンを浸透させるためには経営者の「あり方」「関わり方」が重要だと思いました。

これは、企業の管理職や人事担当者にも同じことが言えると考えています。

会社の行動指針が社員に浸透しない!

どんなに素晴らしい会社のビジョンや行動指針を作っても社員ひとりひとりがそれを理解して、自ら行動しようとしなければ、せっかく打ち立てたビジョン・行動指針もただ夢を描いて終わってしまったも同然ではないでしょうか。

先日伺った中小企業(社員30名程度)においても、社員全員で話し合った内容を元に練り上げた会社のビジョンを、いよいよ社長が全社員の前で発表したものの、社員の反応はゼロ。

「どうすれば、会社のビジョン・行動指針が社員に浸透するのでしょうか?」

と経営者の方から相談を受けました。

私はその企業の社員お一人お一人と個別面談をしていたので、根本的な原因がどこにあるか、ほぼ見当がついていました。それは、

「経営者と社員の間に信頼関係が構築しきれていない」

ということです。

信頼関係を構築する第一歩

私が関わらせていただいている企業様で、社員の行動指針や会社ビジョン、会社の目標など全てにおいて社員の認識が揃っていて、今目覚ましい成果を出している中小企業があります。

規模は奇しくも社員30名規模の企業様なのですが、上手くいっている企業と、そうでない企業の差の1つが、

経営トップのメッセージが社員に浸透しているか

ということだと分析しています。

組織の規模が小さいほど、社員にとって経営者の影響力は計り知れません。

その経営者が何を考えているか分かりづらく、更にメッセージの発信力が乏しいとなると、社員から

「社長は現場を知らない」
「社長は私たちの話に耳を傾けようとしない」

といった誤解が生まれやすい状況に陥りやすくなります。

経営者の考え方、あり方は、日々の行動から社員に伝わるものであり、社員はこちらが思う以上に細かくその行動を観察しているものです。

だからこそ、中小企業の経営者は現場へ足を運び、社員一人ひとりと何気ない会話でも言葉を交わし、会社を盛り立てるための行動を社員と一緒に実践するという姿勢や関わり方が重要になると考えています。

実際、上手くいっている中小企業の経営者の方は、日々、現場社員との声かけを欠かさず、時に自ら営業現場に立ち会って、社員と共に成果を出すことを実践しています。

こういった日々の積み重ねが、経営者と社員との間に「信頼関係」を構築していくと私は確信しています。

中小企業の経営者には、管理職の役割が必要

私は、大企業に26年間所属し、部長という立場でチームをまとめ、また500名の人材育成担当としては女性社員・若手社員の育成に関わってきました。

その後、ベンチャー企業では経営幹部として経営と人事施策に携わり、現在は会社を立ち上げて経営者として尽力しています。

様々な立場で、様々な人たちと関わらせていただきましたが、

「管理職だろうが、経営者だろうが、人と関わる時の基本は全て同じだ」

と考えています。

大企業の人材育成担当の時は、約200名の女性社員・若手社員全員と面談を実施して、それぞれの個性を理解し、強みをさらに引き出して会社成長につなげる人材となるにはどうすればいいかと真摯に向き合う毎日でした。

私がその部署から異動する際に、面談した方々から

「細木さんは、私たちひとりひとりをしっかり見てくれようとしてくれましたよね」

と声をかけてくれたことを思い出すと、自分のあり方を行動で示しながら関わり続けることで築き上げられる信頼関係が、会社や部下の成長には欠かせない、と改めて思うのです。

もちろん、経営的な部分について考えることは、管理職の立場と経営者では違いがあるかもしれません。

とはいえ、私の経験則上では、大企業の人事担当者・管理職であっても、中小企業の社長であっても、大部分での「関わり方」「あり方」の重要性は変わらないと考えています。

今回ご紹介した「うまくいっている中小企業」においても、社長の思いは社員に浸透していつつも、現場の社員が「どう行動していいかわからない」という課題感があったのが7ヶ月前でした。

私がこの中小企業へご提案したのが、

「業務改革プロジェクト×女性社員育成」

であり、4ヶ月目あたりから一気に成果のスピード感が出てきたのも、ベースに社長のビジョンが全員に浸透していたからだなあと改めて感じているところです。

これから社員を巻き込む会社様も、少し時間はかかりますが、きっとうまくいくと信じて、私もしっかりとサポートを続けたいと思います。