IT通信業/E社
IT通信業/E社
D&I浸透による組織活性化を目指し、多様な人材活躍につながるプロジェクトを2つ同時立上げ
業種 | IT通信業 |
規模 | 社員数 約3,800名超 |
導入内容 | D&I推進プロジェクト、女性活躍推進プロジェクト |
主な目的 | 組織改革・D&I推進 |
実施期間 | 24か月間(知識付与研修20回、成果報告会2回、異業種交流会2回) |
インタビュー
INTERVIEW
導入の背景
10年以上前からダイバーシティ推進、働き方改革、多様な人材活躍のために全社一丸となって取り組んできた。ダイバーシティ推進に終わりはないという経営者の強い信念の元、現場レベルでの積極的なD&I推進活動の実現を図るため、ダイバーシティ推進者を全組織から募集しD&I推進プロジェクトを立ち上げ。管理職昇格前の若手社員が多かったので、推進役としてのリーダーシップ発揮に必要なビジネススキル・コンセプチュアルスキルの醸成を目的としたスキル付与と、プロジェクト推進のためのファシリテーションをセットしたプログラムを提案依頼した。
同タイミングで、女性管理職育成プロジェクト(グループ会社含む)も立ち上がり、技術系企業に特化したリーダー育成プログラムを持ち、講師も同じ技術系出身で独特の業界の雰囲気が、共通言語で話せるといった特徴を持つ細木講師にサポートを依頼した。
導入後の変化
D&I推進プロジェクトは、2年間の長期プロジェクトとなり、途中メンバーを一部入れ替えを行いながら組織横断的な取り組みとなった。期間中月1回の研修があったが、プロジェクトメンバーの知識・スキルのレベル、さらに実際に取り組んでいるプロジェクトの進捗に合わせて、その時に必要なスキルや知識の付与を短いスパンの中でチューニングしたプログラムを提供してくれたのが有難かった。プロジェクトメンバーも誰一人脱落することなく、楽しみながら、組織変革してくれたことはもちろん、各組織の中でプロジェクトメンバーが次世代リーダーとして影響力を発揮してくれ、「プロジェクトの内容詳しく教えて欲しい」など、周囲の反響が大きかったことが、何よりの収穫だった。
女性管理職育成プロジェクトは、通常より短期間(5か月間)のプロジェクトだったこともあり、課題実践の時間が十分とれず、慌ただしい研修だったという声が多かった。一部の受講者においては、突出した成果(例:業務改善の取り組みを自組織で実践し、残業時間83%カットを実現)をもたらしており、現場管理職からの本プロジェクトに対する評価は高く、「次のプロジェクトに何人入れていいのか」「自分が受講したい」という声も多く寄せられたのが印象的だった。
受講者・上司の声
D&I推進プロジェクト
- 20代女性
ダイバーシティ推進者として任命され、当初は不安でいっぱいだったが、終わってみれば、積極的にコミュニケーションが取れて、組織を縦断して調整できる役割を担っている。それが最大の成果だと思う。 - 30代男性
あらゆる部門で共通業務を洗い出し、生産性向上の仕組みの基盤を構築できたことがスゴイと思った。 - 社長より
全てのグループ発表から、様々な課題の起点に上司が絡んでいることが分かった。今後も上司や同僚との積極的なコミュニケーションを通じて、より良い組織風土構築に力を貸してほしい。
女性活躍推進プロジェクト
- 30代女性(本社)
相手の価値観を尊重し、理想ではなく現実的なビジョン、やりがいや期待につながるような伝え方を意識するようになった。 - 30代女性(グループ会社)
小さな会社だから大きな研修として受講できるのは嬉しい。身近な業務に置き換えて受講できたしなやかに、大胆に、自分らしいマネジメントに挑戦したい。 - 40代女性(本社)
他部門との交流で、多種多様な価値観に触れることができた。説得ではなく納得してもらえるメンバーとのかかわり方が重要だと分かった。 - 40代女性(グループ会社)
自己肯定感が高まった。自分と時間をかけてしっかり向き合って、強みに気づいた、仕事がしやすくなった。 - 30代女性(グループ会社)
つまずいたり、失敗したことはこれからプラスにしていけば良いし、自分の成長の伸びしろやチャンスはいくらでもあると考えられるようになった。焦らなくていいんだと分かった。 - 50代男性上司(グループ会社)
一緒に参加して、同じように成長させてもらった。 - 50代男性上司(本社)
研修と実業務がリンクしていて、より一層業務が進んだ。 - 50代男性上司(本社)
若手育成・業務整理・などマネジメント視点が出てきた。部下の成長によって、自分の業務上のコミュニケーション不足に気づいた。 - 50代男性上司(グループ会社)
日常とは違うメンバーに刺激を受けている様子だった。課題も自分で自発的に見出して、送り出して本当に良かったと思っている。
講師・アドバイザリー|細木聡子
経営者の強いコミットメントが、現場社員の当事者意識を引き出し、自律的な姿勢へと導いた
女性活躍推進
D&I推進
プロジェクト型
D&I推進プロジェクトと女性活躍推進プロジェクトを同時進行させることで、組織全体のダイバーシティ推進に対する意識を一気に上げることに成功しました。長年、多様な人材活躍に関する取り組みを続けてきたという素地があったのは言うまでもありませんが、経営者のコミットメントが現場に大きな力を与えていたことが大きかったと感じています。通常業務と並行してプロジェクトに参画することは、本人にとっても、周囲の同僚・上司にとっても様々な負担が増えることは容易に想像できます。そんな中、経営者がプロジェクトメンバーと直接対話し、様々な質問やアドバイスをする姿を目の当たりにしたら、それは全ての社員に安心を与え、拠り所になるのではないでしょうか。そんな経営者の存在が、最終的に社員一人ひとりの「自らの手で会社を良くする」という自律的な姿勢をもたらし、さらなる組織改革へとつながっていったのだと思います。