建設会社/T社
建設会社/T社
女性管理職比率2%未満の中で、次世代女性リーダーの育成が大きな課題でした
業種 | 建設業 |
規模 | 社員数 8,000人超 |
導入内容 | しなやかリーダー塾 |
主な目的 | マネジメント力向上、コンセプチュアルスキル向上 |
実施期間 | 12カ月間(上司説明会1回、研修5回、成果発表会1回) |
講師による個別面談 | あり/6回(研修終了後毎、半年後のフォローアップ) |
アセスメント | あり/受講者向け(中間期・受講後) |
インタビュー
INTERVIEW
導入の背景
建設業の2024問題の対応が世間の注目を浴びる中、当社では女性活躍推進の対応も急務だった。ただでさえ建設業界で働く女性は少なく、その中で管理職を務めている女性社員はほんの数人という中で、次世代女性リーダーを育成する必要があり、その時紹介されたのが技術系出身の女性管理職経験を持った講師による「しなやかリーダー塾」だった。女性社員の上司はほぼ男性という現状を踏まえ、その中で女性社員が自律的にキャリアを描き、男性主体の組織の中で、周囲から自分がどう見られがちか、という傾向も踏まえたリーダーシップ発揮の方法や自己マネジメント等、女性の特性に合わせたリーダー育成プログラムとなっていたことが当社のニーズにマッチした。また、今回の受講対象者は少人数だったこともあり、研修ごとに個別面談を必須としてメンタルフォローとしてのサポートも追加してプロジェクトをスタートさせた。
導入後の変化
導入時、女性限定の研修に対する反発を想定していたが、受講者全員が肯定的に受け止めてくれたことに安堵した。これは、プロジェクトがスタートする前に、受講者の上司向け説明会を実施する意義に関する説明があり、実施に踏み切ったが、結果として現場の上司部下の間でプロジェクト参加に向けた意識付けができたので、良いスタートを切れたのだと思っている。
約1年間という長期間プロジェクトは中だるみがあるかと思ったが、実践課題があるのでそういった心配はなかった。また、リーダーになりたいと思わない、と言っていた受講者も、研修と面談を繰り返す中で少しずつ意識が変わっていき、リーダーシップを発揮して管理職を目指すようになってくれた様子を見て、ここでも意識付けの重要性を改めて実感した。
受講者7名のうち、3名が次期管理職候補者として、社内の全体管理職昇格者対象の研修に進むことになっているが、すでにマネジメントの基礎や管理職としてのマインドは、しなやかリーダー塾で学んでもらったので、自信を持って次のステップに進んでくれると期待している。
受講者・上司の声
- 30代女性
業務の中で自分の提案が通らなくてモヤモヤすることが多かったのですが、相手の視点で話す、論理的にまとめる、という意識が足りなかったことが研修を通して良く理解できました。実際に、上司への提案が少しずつ通るようになっています。 - 40代女性
先生との面談は毎回楽しみでした。相談内容に対して、様々な視点でアドバイスをしてくれるので視野が広がっていき、不安な気持ちから、まずはやってみようという気持ちにさせてくれました。 - 50代女性
自分の年齢で女性リーダー向けの研修を受けろと言われたときは、なんで今更そんなことを言うのかと内心思っていたが、研修では自分らしさや、自分だけの強みを仕事にどう具体的に活かすのか、その上で、周囲の人の力も引き出して、チームで成果を上げることを教えてもらえた。それまでの自分の独りよがりな働き方に気づけて、心から良かったと思っている。 - 50代男性(上司)
会議に同席したいと言われたり、業務改善の提案をするなど、研修受講前とは仕事に対する姿勢が変わった。 - 50代男性(上司)
女性部下は部内に1名なので、他部署の女性社員とつながりができて良かった。今も積極的にコミュニケーションを取っているようで、仕事の励みにもなっているように思う。
講師|細木聡子
仕事への不安や悩みを解消して、前向きに仕事に取り組みながら自分のキャリア形成と向き合えるようになった
女性社員育成
女性活躍推進
プロジェクト型
建設業界の女性社員比率は他業界と比べるとその業態からどうしても低い傾向にあるため、多様な働き方や、仕事の新しいやり方、新たな価値観を取り入れる機会を思うように捉えづらい状況にあります。そういった組織の中で閉塞感を感じながら働く女性社員が、自分の強みを発揮しながら、組織が求める成果を出していくには、男性とはちがったコツが必要です。今回、1年間という長期間プロジェクトの実施に踏み切られた背景には、長年の男性主体の組織を本気で変えていかねばならない、という並々ならぬ経営者の決意があったと感じた次第です。その思いを受け取った女性部下を持つ管理職層は全面バックアップする体制を整え、女性社員本人たちも自信を持って現場で活かせるスキルを体得してくれました。女性管理職が誕生するのはもう少し先になりそうですが、彼女たちが突破口となって、この企業のD&I推進を進めていくのは間違いないと確信しています